夕張市平和にて 1996-03

●はじめに
 北海道空知地方の旧産炭地に故郷福岡の筑豊炭鉱と似た風景が残っていないかと思い、始めたのが道内の炭鉱跡巡り。すると往時を彷彿とさせる施設や炭鉱住宅の廃墟があることあること。閉山してすでに数十年。時の経過が醸し出す寂寥感の漂う櫓、けもの道のようになった住宅街の小路、そして幾年もの風雪に耐えてきた炭住跡がまだそこには残っていた。

 撮影を始めたのは1994年と比較的最近からですが、ここ数年で炭鉱施設や往時を偲ぶ町並みは、残念ながら減ってきています。炭鉱隆盛の時代から四十年以上経ちました。往時を今に伝える建物たちは、人々が去ってもこの場所に残り静かに朽ち果てていきます。今や廃墟となった施設跡も陳腐化が進み、繰り返される積雪の重みに耐えられなくなったり、または取り壊しにより消えつつあります。余命僅かな「メッセンジャーたち」を探し記録してみようと思ったのが、撮影を始めたきっかけです。

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